日本語教室5「繰り返し(2)」

話し言葉の場合には特に、人は自分にとっては馴染みがあり、わかりきっていることほど簡略化する傾向があります。

たとえ簡略化しなくても、同じ説明を何度も繰り返すうちに、内容を伝えようとする気持は薄れていき、ただ音声を発すればいいということになってしまいがちです。

自分にとっては馴染みの説明でも、それをはじめて聞く人がいることを常に意識しなくてはなりません。


例えば、あなたがはじめて訪れた町で、路線バスに乗ったとしましょう。

あなたは、バスの運行路線図で目的の停留所のおおまかな場所を調べておくことができませんでした。たたひとつの手がかりは、降りるべき場所は「○○停留所」だということだけです。

路線バスが発車しました。あなたは運転手の車内アナウンスに注意深く耳を傾けています。しかし、運転手の車内アナウンスはゴニャゴニャと何を言っているのか聞き取れません。それにマイクが洋服と擦り合わさるガサガサという雑音も混じっています。

唯一の手がかりである、車内アナウンスが聞き取れないのです!

路線バスの運転手は、毎日何回も同じ内容のアナウンスを繰り返しています。そのため、いつしか「伝える気持」は薄れて、「はじめての乗客」のことを考えなくなってしまっているのでした。


書き言葉の場合は、適切な位置でテーマや目的を繰り返し書くことで、読者の理解を助けることができます。

話し言葉の場合は、繰り返し説明する方法によっては、聞き手に伝わらなくなることがあります。

気をつける必要があるのは、以下の項目です。

・発音、抑揚の仕方はどうか
・しゃべるスピードは早過ぎないか
・人が理解するに十分な余裕があるか
・はじめて説明を聞く人でもわかりやすいか
・伝えよういう気持がこもっているか


☆1日に何回も繰り返し説明する場合など、自分にとってはわかりきっていて言い飽きているときこそ、聞き手の立場になることが必要。

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